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「BLANKEY JET CITY」とは、日本が誇る最高峰の3ピースロックバンドです。一応、ジャンル的にはガレージロックというものに分類されますがそんなものは彼らにとってはナンセンス。音の上では誰よりも自由で、繊細で複雑。そんなバンドです。「BLANKEY JET CITY」は正直、記事にするのが怖いほどファン層も厚く、僕みたいな若造が語ってもいいものか非常に悩みました。がしかし、書かずにはいられませんでした。理由は2つ。最強にかっこいいロックを風化させてはもったいないから。今の若い人たちにも聴いてもらうべきバンドだと思ったからです。今の日本に足りないものはBLANKEY JET CITYだと言っても過言ではないのかもしれない。
そしてもう一つ。僕の名前、TATSUYAというのは「中村達也」に由来しているものだとブランキストの父から聞いたことがあるからです。親父、いいセンスしてるぜ。
それから、2024年7月28日より長年の沈黙を破り、BLANKEY JET CITYサブスク解禁になります!おめでとうございます!
バンドについてざっくり解説
1987年にギター・ヴォーカルの浅井健一、ベースの照井利幸、ドラムス中村達也の3ピースバンドで結成。その後、TV番組「イカ天」に出演し、他の出演者を圧倒し6代目グランドイカ天キングとなりそのままメジャーデビューします。「ガレージロック」という本来ならメジャーな音楽性ではなかったのにもかかわらず当時圧倒的な人気を博し今日まであらゆるバンドに多大な影響を及ぼしました。同時期には「THEE MICHELLE GUN ELEPHANT」とともに日本のロックシーンを盛り上げ、双璧のような関係のバンド2組が牽引してきたロックシーンは今でも伝説と語り継がれ解散から20年以上たった現在でも熱狂的なファンからの支持が厚いです。
メンバー紹介
浅井健一(Gt./Vo)
愛称はベンジー。作詞作曲は浅井健一によるものが多く、バンドの中心人物です。少年のような声と感性が魅力的。人を惹き付ける、不思議な魅力を持っています。
照井利幸(Ba.)
愛称はテリー。癖の強いバンドのベーシストなので、プレイスタイルはバンドや楽曲を優先させますが独特のフレーズ感を持っていて、鬼気迫る演奏をします。オールバックの渋い男です。
中村達也(Dr.)
スターリン、スタークラブといったレジェンド級の80年代パンクバンドを渡り歩き、まさにロックの証人と言っても過言ではないドラマー。彼のドラムはハートに響きます。確かな技術、強固なリズム感覚を持ち合わせながらも理屈ではない魂のこもった1発のショットで奏でるドラムに魅了された人は数知れません。
必聴アルバム
ここはすごく悩みました。オリジナルアルバムから必聴アルバムを選ぶとするなら、間違いなく「C.B.Jim」を推します。ここから1枚戻ったり進んだりして聴き漁ってほしいです。
しかし、それではとんでもない文字数になってどうしても語りきれないと思ったので、ベスト盤2枚から抜粋しての紹介にさせてもらいます!
「BLANKEY JET CITY1991-1995」
1曲目、いきなりの大名曲にしてバンド代表曲の「Punky Bud Hip」。「新しい国ができたらしい、人口はわずか15人」という歌い出しから始まりますが、まるで物語のプロローグですよね。この曲を題材にした映画とか作ってくれるとめちゃめちゃ面白そうなのになぁ。単車乗り全員に絶対に聴いてほしいです。1曲聴き終わるまでに一つの物語を聞き終えたような満足感があります。
続いて2曲目、「冬のセーター」。
ピストル自○ごっこをしている少年と、冬の寒さがどのように相互に関係しているのかは僕にはまだわかりません。※考察がある方は、教えてほしいです。しかし、リフが最高にクールですよね。
次に3曲目、「D.I.Jのピストル」。こちらもまたバンドの代表曲で、ブランキーの大本命とでも言うべきでしょうか。絶対外せない名曲ですね!「D.I.J」とは、「ドキドキするような、イカれた、人生」の略。僕にとっては永遠の人生のテーマです。これは説明不要、聴けばヤバさがわかりますね。
続きまして、6曲目に「クリスマスと黒いブーツ」。これも名イントロのリフですね。詞からしてそうなのですが、ピュアな少年の心を思い出させる曲なんですよね。透明感を感じます。
そして、7曲目に「ディズニーランドへ」です。これは問題作。鬱な気分の時に絶対聞いてはいけないです。「ノイローゼになってしまった友達に、ディズニーランドへ誘われたが一緒にいてもつまらないし恥ずかしい」という曲なのですが、切り捨てた友達を想って自分は冷たい人間の仲間入りしてしまったと言い切ってしまう、またそれを唄にするというところ、ベンジーは優しい人間なんだなという人柄がよく出ていて切なくなります。
次に、10曲目「RAIN DOG」。大好きです。スリリングなベースラインとギターリフ。激情のドラム。これもまた聴いていて映画のように映像が頭に思い浮かぶ曲ですね。イントロから差し込まれるブルースハープの音色が曲のテーマの雨の国道沿いを演出させ、よりドラマチックに演出するという技術は天性の才能を感じざるを得ませんよね。
「BLANKEY JET CITY1997-2000」
2曲目、「ガソリンの揺れかた」。もうタイトルからして超かっこいいですよね。そしてこの曲は日本ロック史に残る名リフだと思います。ブレイクでドラムのスネア連打が入るのも絶妙にかっこいいし、名曲です。
続いて3曲目に「ロメオ」。この曲はほんとに大好き。もしかしたら個人的にブランキーの曲で一番好きかもしれません。スピード感、歌詞の世界観、全てが完璧です。
4曲目、「左利きのBaby」。これもかっこいいですねぇ。「誰とでも寝るような、そんな女が好きさ」とか、男が憧れるかっこよさがありますよね!
次に5曲目、「赤いタンバリン」。定番の曲です!これはシングル最高セールスを記録し、知名度的には一番高いのかな?これはラブソングなのですが、ベンジーに娘さんが生まれたときに、初めて抱っこしたときに思い浮かんだ曲だそうです。つまり、娘へのラブソングということなんですね!それを聞くと聴こえ方も変わってくるし、納得する部分も多いですね。赤いタンバリンとは、心臓の鼓動のことだそう。なんとおしゃれで、文学的な感性なのでしょうか!最高です!
次に7曲目、「SEA SIDE JET CITY」。これも外せませんね。BLANKEY JET CITYのテーマ曲みたいな曲です。僕が初めて聴いたブランキーの曲で、未だに繰り返し聴いてます。余談ですが、TV番組「ゴッドタン」の企画で、フットボールアワー後藤が披露した「ジェッタシー」の元ネタとなった曲です!番組では「ダサい」とイジられて笑いを誘っていましたが複雑な気分ですよね!もっとも、後藤さんは大のブランキーファンであることを公言しているので、リスペクトが感じられて僕は普通にかっこいいと思いますが!
次に、14曲目「SATURDAY NIGHT」。BLANKEY JET CITYラストシングルです。まるでバイクや車に乗ってるかのような、比喩じゃなく「音に乗る」ということを実体験できる曲ですよね。末期の曲なだけあって、どこか悲しい気分になる曲です。まるで暴走族の解散式のラストランを走ってるような気持ちです。これはLiveの「ラストダンス」映像が最強にかっこいいです。途中でギターの弦が切れてしまうのですが、その間のリズム隊のつなぎの演奏、ギターソロの入り方、全てが非の打ち所がないまさに「完璧」な美しさがあります。是非チェックしてみてください!
BLANKEY JET CITYをもっと語らせて!
ここまで細かくベストアルバム収録の曲について書いてきましたが、まだまだ語り尽くせない名曲はたくさんあります!※しかし、あまりに長くなりそうなので3曲にしておきます。あくまで入門シリーズなので、聴き込んであなたのフェイバリットを見つけてみてください!
「★★★★★★★」
2ndアルバム「Bang!」収録。
もとのタイトルは、「人○しの気持ち」。ショッキングなタイトルとは裏腹に、これはかなり哲学的なナンバーです。当時、ベンジーがバイト先で○したくなるくらいムカつくやつがいて、目の前のナイフで一突きしてやろうかと思ったやつがいたと、その時の歌だと語ってるインタビューを目にしたことがあります。「神様だって、そうするハズさ」まさに、少年の心ですよね。
「悪い人たち」
3rdアルバム「C.B.Jim」収録。
スローなバラード曲ですが、ロックの歴史に残るような、そんな曲です。不条理な世の中、無力な自分に対する苛立ちや憤り。これらの感情は、尾崎豊、忌野清志郎、甲本ヒロトといった先人たちのロックに共通するような、ハートのこもった歌です。現代の若者、皆がこういう感情を抱いていたら、日本の未来は明るいのかもしれませんね。
「小さな恋のメロディ」
7thアルバム「ロメオの心臓」収録。
同タイトルの映画を題材にした曲で、メロディ、サウンド、歌詞すべてが美しく、儚く、繊細で触ったら壊れてしまう10代の心をそのまま曲にしたようなナンバーです。「行くあてはないけど、ここには居たくない」誰しもが感じたことがある気持ちを上手く言語化して代弁してくれるような、いつまでも聴いていたくなるナンバー。個人的には、夕暮れ時に遠出しているときに聴きたくなる曲です!
おわり
というわけで、今回はBLANKEY JET CITYについて熱く語らせてもらいました!ベストアルバムに沿っての紹介なのでまだまだ語り尽くせない楽曲が多数あります。とにかく、本来ならアンダーグラウンドであるような攻撃的なロックがセールスを記録するというのは後にも先にもこの時代ならではの特徴であり、その時代を創ったBLANKEY JET CITYというバンドを聴ける時代に生まれたことは幸福なことなのかもしれません。次世代を担うバンドたちにも影響を与え、また新たな形のロックとして昇華されてアツくさせてくれるバンドが登場してくれることを切に願います。
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