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BAD HOPとは、神奈川県川崎市出身の8人組HIP HOPクルーです。彼らの登場は日本のHIP HOP業界でも異例の盛り上がり方であり、近年のHIP HOPブームの立役者と言っても過言ではないほどの名声を得ます。しかし、2024年2月19日、HIPHOPアーティスト史上初のドーム公演を成し遂げると共に惜しまれながら解散します。
しかし、彼らの人気は衰えることはなく日本のHIP HOPの歴史に名を刻み語り継がれていくことと思います。
今回はそんなBAD HOPの歴史を知ってもらい、まだ知らない人にもわかりやすく歩んできた10年の道のりを彼らのアルバムを中心に年表とともに振り返ってみたいと思います!
メンバー
YZERR
本名 | 岩瀬 雄哉 |
生年月日 | 1995年11月3日 |
旧MC Name | DIABLO |
本名 | 岩瀬 達哉 |
生年月日 | 1995年11月3日 |
旧MC Name | K-九 |
T-Pablowについて詳しくはこちらから!
Tiji Jojo
本名 | 吉村 敦也 |
生年月日 | 19996年2月12日 |
旧MC Name | ー |
本名 | 石川 幸和 |
生年月日 | 1994年10月19日 |
旧MC Name | ゴエモン |
Benjazzyについては、詳しくはこちらから!
Yellow Pato
本名 | 関根 流星 |
生年月日 | 1995年4月18日 |
旧MC Name | DJ 流星 |
BARK
本名 | 日野原 ゆうき |
生年月日 | 1995年9月20日 |
旧MC Name | ー |
G-k.i.d
本名 | 渡邊 りょう |
生年月日 | 1995年5月2日 |
旧MC Name | ー |
Vingo
本名 | 阿部 慎之助 |
生年月日 | 1996年1月5日 |
旧MC Name | CROWN |
活動年表
2012年
「第一回BAZOOKA!!! 高校生RAP選手権」にT-Pablow(当時K-九)、YZERR(当時DIABLO)が出場しました。T-Pablowは「俺達で回そうぜラップでこの国の経済」というパンチラインを残し鮮やかに優勝するのですが、全てはここから始まります。
以降、高校生RAP選手権はMC☆ニガリ、GOMESS、Ry-lax、裂固、Lick-G、OZworldなど数々の若手スターを排出するラッパーの登竜門になるのですが、コンテンツを盛り上げたのは間違いなくT-Pablowに他ならないと思います。
また、T-Pablowは翌年4回目の同大会にて2度目の優勝、YZERRは第5回大会で優勝し、Zeebraに見初められた2人は「2WIN」というユニットでもCDをリリースすることになります。
2014年
BAD HOP結成。
結成と言ってもVingo以外のメンバーは元々幼馴染であり、つるんではいましたが音楽活動を開始したのがこの時期。コンピレーションアルバムとして「BAD HOP ERA」を自主制作するも販売はせずCD無料配布や無料配信をしていました。
余談ですがジャケットのタトゥーの入った指は旧メンバーAkdowの手。
2015年
1stアルバム『BAD HOP』リリース。
ラストライブでも歌った「B.H.G」や育った環境や過去のことなどをラップした「Liberty」など、中身が濃いアルバムとなってます。またMVも自主制作しており「BAD HOP Episode」として公式YouTubeチャンネルで視聴できます。
また、VICE Japanの取材も受けており、この時の様子はYouTubeチャンネルで視聴できます。
まだ若い彼らとともに彼らが育った生々しい川崎南部の様子も伺えます。
そして、なんと言っても「フリースタイルダンジョン」放送開始。
初代モンスターとしてT-Pablowが選出され、数々のラッパーとバトルで勝利し若手最有力候補として実力を認められます。ここからBAD HOPの名を全国に広める大きなきっかけになります。
2016年
Mix Tape『BAD HOP 1 DAY』リリース。
ここでアルバムではなくミックステープという形でのリリースが非常に戦略的だと思います。
《ちなみにMix Tapeとは》
ミックステープとは、主にアメリカでアーティストの曲を無名のDJが路上にて無許可でRemixして無料配布することで自身を売り込むという文化です。
しかし、大手レーベルのラッパーもより自由な表現での作品作りのためにミックステープを制作することもあります。
ミックステープとしてのリリースなので本作はもちろん無料配信。すでにアルバムとしてリリースしてもそこそこ売れるほどの知名度があったはずなのに、ここで無料配信することによってより多くの人に作品を届けて更に自分たちを売り込もうという作戦です。
結果、本作収録の『Life Style』は10〜20代を中心に爆発的に聴かれることになり、MVの再生回数は2024年11月現在3422万回再生というモンスターみたいな楽曲となりました。
同年に同じく無料配布で『BAD HOP ALL DAY』もリリース。
CDが買えないキッズたちにも作品を届けると共に戦略的に未来への投資をしていっている様子が伺えます。
2017年
2ndアルバム『Mobb Life』リリース。
初の全国盤のCDをここでリリースします。作品の内容もかなり気合が入っており、ヒットチューンも多く産まれました。MVの再生回数は3800万再生を超えるヒット曲の「Ocean View」、恐らくHIP HOPにドラゴンボールという概念を一番最初に取り入れたであろう「I Feel Like Goku」、後に続編も制作される「Super Car」などなど収録。その他にも「あ?」や「Black Bandana」、「口だけ」など攻撃的なリリックが目立つ曲も収録されていて大衆に媚びない姿勢を感じます。
また、初回プレス盤には特典で「Cho Wavy De Gomenne」の未発表Remixがダウンロードできるのですが、Benjazzyがずっとブチギレてると話題になりました。YouTubeに落ちているので是非聴いてみてください。
また、初の全国ツアー「Mobb Life Tour」も開催し勢いをつけます。
2018年
EP『BAD HOP HOUSE』発表。
後にBAD HOPの代名詞となる「Kawasaki Drift」、成功を唄いながらもまだまだYZZERの大きな野望の欠片を覗かせるメロウな楽曲「Diamond」、
”Pablow君お願い みんなに内緒に
するから抱いて 1回だけでいい
別にいいけど 後にしてよ
今は聴いてたい イケた曲を”
というリリックのとんでもない世界線の「House Party」などを収録。
このEPを引っさげてZepp Tokyoにてワンマンライブ「BAD HOP HOUSE」を敢行。チケットは即Sold Outします。
また、同年にワンマンライブ「BreatH of South」を日本武道館で開催。こちらも先行チケットは3時間でSold Out。さらに来場者全員にEP『BADHOP ALLDAY vol.2』を無料配布します。これだけの人気になっても楽曲を無料配布するというのは前代未聞ですが、ブレない姿勢と商才には目を見張るものがありましたね。
このEPはライブ後に配信版でもリリースとなります。
また、こちらのライブは後にDVD、Blu-Rayにて映像化されています。
2019年
全国5都市のZEPPにてライブツアー「COLD IN SUMMER ZEPP TOUR」を行うことを発表し、話題になります。
また、この年にTBS「クレイジージャーニー」にて地上波に初登場し、大きな話題を呼びます。メンバーの育ち、壮絶な経験などを特集されます。
EP『Lift Off』リリース。
本作品は海外プロデューサーを迎え、初の海外レコーディングを経験します。今まで以上にスケール感の大きい作品で、やはりビートが今までのものとは一線を画しています。日本人にはない感性で、メンバーにとって大きな刺激になったことと思います。
聴けばわかりますがメンバーそれぞれのフローがかなり洗練されてますよね。
いい意味で「BAD HOPらしくない」作品だと思います。全員やばいですが、特に「Poppin」でBenjazzyのHookに度肝を抜かれました。
2020年
3rdアルバム『BAD HOP WORLD』リリース。
これまでのEPでは海外のフローを吸収し、ビートも常に最新の音感を取り入れて着実な進化を見せてきましたが、本作では2ndアルバムのアンダーグラウンドをも感じさせる雰囲気も残しつつ「Bayside Dream」や「Hood Gospel」のような落ち着いたヒットチューンも収録された、納得の作品となってます。
中でもイチオシはなんといっても「High Land」。これはほんとにいいですね!僕の中でBADHOPと言ったら結構この曲を人に勧めたいくらいFavorite Songです。
「BAD HOP WORLD 2020」を無観客で開催。
政府からのイベント自粛要請により横浜アリーナにて開催予定だったワンマンライブを、なんと無観客で、かつ無料で配信をおこないます。
僕の記憶では無観客ライブというのは2018年に台風の影響でX JAPANが強行したのが最初だったと思いますが、例の感染症による無観客ライブはBAD HOPが初めてだったと思います。
このライブでBAD HOPは1億の負債を負うことになりますが、クラウドファンディングで7,884万円の資金を集め無事ライブを行います。このライブの成功を受け、無観客ライブをペーパービューで配信という形は割と一般的となりましたがその先駆けがBAD HOPです。HIP HOPシーンのみならず音楽シーン全体を牽引する存在にまで上り詰めていたという証明になりました。
2022年
EP『BAD HOP HOUSE 2』リリース。
このEPで注目したいのは、なんと言ってもG-k.i.dがHookを唄う「CALLLN’」。
キャスティングが最高で、G-k.i.d、Bark、Benjazzyそれぞれのリリシズムが抜群に光ってますよね。初期と比べると人間としての深みを増したリリックの渋さが最高にかっこいいです。
またこのEPを引っさげて4箇所のZeepを周るツアーを開催。ABEMAにて独占生中継もされ、注目度はもはやHIP HOP業界No.1と言ってもいいほどにまで上り詰めます。
アパレルブランド「BreatH」創立。
アイテム発売開始されると即Sold Outするほどの人気ブランドに。BADHOPが解散した現在でも新作がリリースされ続けています。
2023年
YZERRが 客演としてAwichの楽曲『GILA GILA』に参加。これがTik Tok、各メディアにて大バズりしてまさに人気は絶頂に。
日本最大のHIPHOPフェス「POP YOURS」に¥ellow Bucksの代打としてヘッドライナーで出演。しかし、そこで衝撃の発表がされます。
全国のヘッズに衝撃が走りました。解散ライブの場所をファン投票で決めるという前代未聞のやり方で公募し、東京ドームに決まりました。
2024年
Lastアルバム『BAD HOP』リリース。
ラストにふさわしいアルバムで積極的に客演を迎えてます。「Empire Of The Sun 」ではZeebra、「Mukaijima」ではANARCHY、「Shoot My Shot」では漢a.k.a GAMI、「Fam*ly」ではLEXが参加するなど、HIP HOPのオールスターみたいなメンバーが参加しBAD HOPが積み上げてきたものの大きさを感じます。業界人から愛され、ファンから愛され、すべてセルフプロデュースでここまでのし上がったBAD HOPはまさに伝説となったことの証明だと思います。
2024年2月19日
惜しまれながら東京ドームにて解散。
活動期間10年の歴史に幕を下ろします。
解散理由を考察
メンバーによると、この決断はBAD HOPを遺すためだといいます。これまで、BOØWYやBLANKEY JET CITYのように人気絶頂のときに引退したバンドやグループは過去にも存在しています。そういったバンドは皆伝説と呼ばれ今後も語り継がれ世代がアップデートされても聴かれ続けることでしょう。今回BAD HOPにもそういった意図があるのかと思われます。
しかし、よく考えてください。
なぜ、BOØWYが伝説として語り継がれているのか。それは、氷室京介、布袋寅泰が解散後も精力的にソロ活動を行うことで「あのヒムロックがいたバンドだ!」と注目を浴び続けていたからなのではないでしょうか。
つまり、伝説として語られ続けるためにはメンバーがソロとして第一線で活動する必要があるのです。これまでの活動をかなり戦略的に行ってきたBAD HOPですから、そういったところまで見据えているはず。少なくとも、ラッパーとしてではなくともT-PablowやYZERRは世界を見据えているはずなので策があることは確かでしょう。メンバーの今後の活動にも目が離せませんね!
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