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ちゃんみなとは、東京都練馬区出身のラッパー/アーティストです。HIPHOPアーティストとしてデビューしましたが、彼女の表現方法はそれだけではありませんでした。抜群の歌唱力、ラップスキル、類稀なる詞の表現力を武器にジャズ、ロック、ポップス、ヒップホップのオールジャンルで自由に音楽の世界を駆け回るちゃんみなは、
「世界一microphoneが似合うプリンセス」
なのです。
昔から、女性の代弁者的存在の歌手って居たじゃないですか。安室奈美恵、浜崎あゆみ、加藤ミリヤなどなど。今の若い女性にとってのこのポジションにちゃんみなは今居ると思っています。
ちゃんみなを聴くうえで、重要になってくるキーワードは「Pain」。失恋ソングが上手いことに定評がありますが、ここまでの支持を得ているのは彼女自身の痛みや傷をさらけだしているところにあると思うのです。
かっこいいルックスで、一見すると強い女性としての代弁者なのかと思いきや、弱い部分もあるよ、繊細なんだよというのを経験を元に詞で表現できていることにヒントがあるのかもしれません。
そんなちゃんみなについて、リリース年表としてまとめてみました!
幼少期
日本人の父と韓国人の母の間に産まれたハーフで、3歳までは韓国で育ち、そこからは日本、アメリカを行き来する生活を送ります。そのため取得言語は英語、日本語、韓国語のトリリンガル。
3歳の頃からバレエ、ピアノ、ヴァイオリンを習っておりこの頃からすでに歌手になるのが夢だったそうです。その後、小3の時に韓国グループ「BIGBANG」の「Haru Haru」のMVに衝撃を受け、ヒップホップダンスを始めます。これがちゃんみなとHIPHOPの最初の出会いとなります。ちなみに、小4で茶髪でピアスをしていたそう。
またこの頃から既に作詞をしており、高校生になる頃から作曲も始め、ラッパー/アーティストとしての活動を始めます。
余談ですが、中学生の頃にはカバンに「夜露○苦」と書いていたそうです。相当気合入ってますね。「練馬のビヨンセ」の異名がつくのも頷けます。
2016年
初のメディア露出は「第9回BAZOOKA!!! 高校生RAP選手権」。結果は2回戦敗退となったものの、決勝【裂固vsLick-G】に次ぐ大会のベストバウトでインパクトのある試合となり記憶に強く残っている人も多いのではないでしょうか。
4月
同級生のラッパー「めっし」を客演に迎えデビューシングル『未成年』を発表。初登場にもかかわらずiTunes StoreのHIPHOPランキングで首位を獲得。
8月
『Princess』も発表。この曲はちゃんみなの原動力というか、後から思えば原点とも思えるようなリリックが読み取れます。
”Haterの無駄すぎる逆拍手
に少しもビビらねぇ Check it 脈拍
泣き虫のお姫様なんてもう流行らないの生憎様
可愛いだけじゃやっていけない世界
あんたにはちょっと向いてないみたい
自分のスキルが知りなたいなら
まずは鏡に聞いてみれば?”
この度胸、強すぎます。
2017年
3月
ビクターエンターテイメントよりメジャーデビュー。※余談ですが、ビクターには他にもKICK THE CAN CREW、餓鬼レンジャー、かしわ等のHIPHOPアーティストも所属しています。
1stアルバム『未成年』を発表します。その月のオリコンチャートではデビュー作にかかわらず最高59位を獲得するなど、いかに業界が注目していたかがわかります。
前述したタイトル曲「未成年」、2ndシングル「Princess」はパワーのある楽曲ですが、他にも女性ファンに愛され続けてる曲「BEST BOY FRIEND」、ヒットナンバー「LADY」など彼女が愛される要素がつまってます。中でも注目したいのが、「FXXKER」。やっぱりラップが抜群に上手いですよね。正直、ちゃんみなHaterの中でもラップスキルを批判する人ってあんまり見たことないんですよね。それもそのはず、ここまでやられちゃ勝てないですもんね。
10月
世界を拠点に活動するサムライギタリスト、MIYAVIの『SAMURAI SESSIONS vol.2』に客演として参加。「No Thanks Ya (MIYAVIvs ちゃんみな)」ラッパーとMIYAVIがfeat.したのはKREVA以来で、長年MIYAVIを追っている私としては歓喜しました。
11月
ミニアルバム『Chocolate』を発表します。タイトル曲のMVには同郷練馬をレペゼンするレジェンドラッパー「D.O」が友情出演したことも大きな話題になりました。
タイトル曲「Chocolate」はミーニングが秀逸ですな楽曲です。「チョコレート」と「Too Late」、「Your Lie」で韻を踏みながら幾重にもミーニングをしているのがとてもオシャレ。
2018年
9月
ワーナーミュージック・ジャパンへ移籍。
ワーナー・ブラザーズ傘下の為、海外アーティストも所属する大手事務所への移籍となるため、海外進出も期待されています。
2019年
8月
2ndアルバム『Never Grow Up』発表。
勢力的なライブ、メディア出演なども更なる話題となってきた時期にリリースした2ndアルバムはオリコン23位を記録。実力を備えたアーティストであることを証明したと言える結果なのではないでしょうか。そんな華々しく見える結果ですが、彼女のアーティストとしての苦悩、濃い人生の中で培ってきたことを歌った曲が多いアルバムで、私は一番好きなアルバムかもしれません。ちょっと語らせてください。
「I’m a Pop」は、HaterへのDIS。
”I’m a pop
I’m a rock
And I’m a HIPHIP
I can’t breathe in here
息苦しい”
当然ラッパーとしてHIPHOPシーンから出てきたのでちゃんみなのメジャーシーンでの活躍は一部のリスナーから疎まれることもありました。しかし、ちゃんみなにとってラップというのも一つの表現に過ぎず、ジャンルの枠の中では息苦しい。自分はポップスでもあり、ロックでもあり、ヒップホップなんだ。アーティストなんだ。そんな意思表示が聴こえてきます。
「Pain Is Beauty」
ちゃんみなの武器の一つでもある、「心の痛み」を言語化してさらけ出した曲です。
”強がってみたかったんだ 強そうに見えたかな
So try me ,I Love the pain
痛みって美しいんだ 私を綺麗にしたんだ Pain Is Beauty”
かっこいいですよね。いじめられていた過去、不良だった過去も公言しているちゃんみなですがその中で感じた「Pain」も芸術として昇華できる。こういったアーティストがいてくれるのって、やっぱり心強いですよね。
「Never Grow Up」
失恋ソングですが、ワードセンスが卓越していて正直他のちゃんみなの曲の中でも群を抜いて詩人だなぁと思わせます。
”貴方がピーターで 私がウェンディを演じた”
ここエグいパンチライン。
彼を子供の象徴である「ピーターパン」、つまり純粋で気まぐれにいられるために、私が母性、強さを兼ね備えた「ウェンディ」を演じたということを表現しています。
”狂わせた時計と壊れたコンパス が私達を大人にさせない”
hookもエグいですね。21歳でこの言葉が出てくるとは、感性がズバ抜けていると思います。
他にも、MV制作してシングルリリースして欲しいくらい良い曲がたくさんあります。「Like This」、「Cafe」などなどあっという間に全曲聴き終わってしまうくらいで聴き始めにもオススメのアルバムです。
2021年
10月
3rdアルバム『ハレンチ』リリース。
前作と比べると、表現がより直接的で生々しさが顕著になり、収録曲のテーマが一貫しているアルバムであるように思えます。また、本作品リリースの頃から音楽性とファッション業界でも世界的に視線を集め始めた頃であります。
そして、リリース2日後には日本武道館でのライブも開催します。これは、2018年に「BAD HOP」のメンバーがHIP HOPグループとして史上最年少で武道館ライブを成功させた時と同じ年齢の23歳。やはり新世代のHIP HOPは粒ぞろいであるということを証明してくれた結果ではないでしょうか。
作品自体もオリコン16位を記録し、名曲揃いです。
タイトル曲、「ハレンチ」ではネオン街を想像させる曲調に東京という街に対する疲労感を感じさせるリリックがグッと曲の世界に入り込ませてくれます。なんと言ってもこの曲はライブですね!
また、特筆すべきは「美人」です。
デビュー以来、ちゃんみなには数多くのヘイトも集まってしまいました。アーティスト故の宿命なのかもしれませんが、その矛先は彼女の楽曲についてではなく彼女の容姿について。気丈な彼女でもストレスにより16kg痩せてしまったのです。病的に痩せてしまったにもかかわらず「ちゃんみな最近マジ可愛い」、「ダイエット方法教えてほしい」などのコメントが目立つようになり、それに対して違和感を覚えたちゃんみな。そんなルッキズムへのアンチテーゼとして書き上げた楽曲が「美人」。
横浜アリーナでのライブ中メイクを落としてすっぴんになるパフォーマンスは鳥肌が立つほどかっこいいので必見です。
”前例がないのは怖いかい? ならお手本になりなさい”
2023年
3rdアルバム『Naked』リリース。
歴代のアルバムの中でも3カ国語でのリリック表現が増えた印象です。しかしこれは単純に世界進出を意識したとか、海外でのバズを狙ったとか、そんな簡単なことではなく言語による繊細なニュアンスをミリ単位で表現した、ちゃんみなの究極の表現方法なのかなと思います。
また、本作品の世界観とアートワークを体感できる「Naked展」という個展も開催されました。音の芸術から視覚的な世界への表現まで、本当に活動の幅が広いです。
「RED」
トラックが和風かと思いきや、トラップっぽいノリ方でびっくりしました。
”When I was 11
帰り道セブン
近くママがいるお店で見せられたんだ
酔っ払ったサラリーマン2人
おいお前ら聞いてるかい…”
どうやら子供の頃に言われたことのようです。かなり酷いこと言われてますね。でもこういう過去の痛みとか、コンプレックスとかを音楽に昇華できるのって最高にHIPHOPだと思います。だってこんなリリック、ちゃんみなにしか描けませんもんね。
「Don’t go feat.ASH ISLAND」
ドラマティックなK-POP調の楽曲です。featのASH ISLANDって誰やねん!って思いました?この方は韓国のラッパーで、2024年にちゃんみなとの結婚を発表しました。おめでとうございます!
英語と韓国語で、我々には難解かと思われますがMVでは日本語字幕を入れてくれているので安心して唄の世界に入り込んでください。
「BIJIN Remix feat.Awich」
ちゃんみなの代表曲の一つ、「美人」を客演にAwichを迎えてのRemixです。この2人、絵面が強過ぎますよね。QueenとPrincessの共演がアツ過ぎます。これはほんとにすごいこと。ライブでのパフォーマンスも圧巻の一言。一見の価値があります。
2024年
シングル『NG』リリース。
MV見てびっくりしました。まさかの妊娠中のパフォーマンス!しかもあのお腹、臨月近いとみました。そして曲を聴いて安心しました。マジでいい意味で何も変わってなかった。
”細すぎる 太すぎる でかすぎる チビすぎる
4ぬ4ぬ4ぬ4ぬ 女が4ぬ”
※伏字にしています
めちゃくちゃ尖ってます。相変わらずルッキズムに対するこのアティチュードがいいですよね。
また、11月には無事に第一子出産報告もありました。おめでとうございます!アルバム未収録曲ですと他にも「命日」などもあり、こちらもかっこいい曲です。次回作のアルバムも期待できそうです。
また10月よりちゃんみな、SKY-HIが共にプロデューサーとしてルックス、ジェンダー、年齢の壁を取り払って才能を発掘するオーディション番組『No No Girls』も配信しています。番組はYouTubeで配信され、応募者は国内外問わず7000人以上と言うから驚きですよね。再生回数はどの回も100万回を超える人気番組です。
終わりに
以上、ちゃんみなのリリース年表をまとめてみました!デビュー時は高校生の年齢だったのに、8年経った今では練馬のビヨンセから今や世界のちゃんみなになろうとしています。紹介した曲以外にも、心に寄り添い、友達になってくれる曲はありますか?よかったらリプライで教えてください。
ちゃんみなの今後の活躍が楽しみですね!
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